私はしがない執事です
雅ちゃんは珍しく黙って食事を続けていた。
今朝の食事はタバスコ納豆、アボカド鮭、イチゴ味噌汁だ。
「まぁ、私とお嬢様二人きりと言うのも味気ないという理由もあるのです。この屋敷に二人は…広すぎる」
確かに。
こんなに広いのなら、何十人と雇ってもおかしくない。
だけど此処には、私を含めて三人しか居ない。
「もう少し…増やしますか?」
「いいえ。このメンバーが私は居心地良いのでもう雇いません」
「妾も同感だな」
漸く雅ちゃんはもぐもぐしながら話した。
「私もです」
私もこの三人のメンバーが良い。
そして、いきなり雅ちゃんが思い出したように言った。
「そうそう、明日は椿が来るぞ。そう連絡が入ったからの」
そう話した雅ちゃんは、赤いペンダントを少し触り、微笑むのだった。