私はしがない執事です
「こちらは……また新しい人?」
五十嵐様が尋ねてきたので、私は失礼の無いよう注意を払って挨拶をした。
「はい。最近こちらに配属されることになりました、深海瑠璃と申します」
ペコリと私は頭を下げる。
「それはそれはご丁寧にどうも。俺は五十嵐椿。堅くならずに椿と呼んでくれて構わないから」
爽やか笑顔を向けられてしまった。
私は彼の後ろに椿の花束が見えた。
「では椿様と……」
「椿で良いから、ね?」
思わず笑顔に流され私はハイと頷いてしまう。
……イケメンってズルいよね。
ん?新城さん?
彼はイケメン以前の問題でしょう?
いや、だってね?