私はしがない執事です

｢………新城さん｣




二人の姿が見えなくなった後。
私は彼に呼びかけた。




｢何でしょう？｣




分かってるくせに。




｢椿君と…仲、悪いんですか？｣



｢そうですねぇ…
私、どうやら嫌われているみたいなんです｣




みたいです…ってんな他人事みたいに。




｢理由は分からないんですか？｣




あんなに穏和そうな人が怒るだなんて余程の事だろう。心当たりぐらいあるのではないだろうか？




｢まぁ、一つだけ｣



｢あるなら仲直りしたらどうなんです？｣




雅ちゃんもきっとそれを望んでいるはずだ。

今日の雅ちゃん、少し気遣っているみたいに見えた。




｢コレばかりは……時間の問題ですかね？｣




私に聞かれましても。