私はしがない執事です
「……さて。雅ちゃん達にそろそろお茶を持っていかないと…」
優雅に寛いで新聞を読んでいる新城さんをよそに私はキッチンへ行き、置いてあったお菓子とお茶を持ち、雅ちゃんの部屋へと向かった。
コンコン…とノックをすると、中からはい、と返事が聞こえたので失礼しますと言いながら部屋へ入った。
「あーまた負けてしもうた……
己椿……覚えてろ…
いつか…いつかけちょんけちょんのカスカスにしてくれる……!!」
「はいはい。
でも今けちょんけちょんのカスカスにされているのは雅の方だよね」
「ぐっ………」
――彼女達は詰まるところゲームをしていた。
しかも、ポペットモンスターである。…意外だ。いや、雅ちゃんは分かるけど椿君が…ね。
「お茶菓子を持って来ましたよ」
「うむ、そこに置いておいてくれ」
私は雅ちゃんに言われた通り丸テーブルの上に置いた。
「丁度良いや。メイドさんも来た事だし、雅。休憩しよう」
そう言って彼はゲーム機をOFFにしてしまった。
雅ちゃんから不満の声が上がるが、ゲームは一時間三十分までと椿君に注意をされ、しぶしぶ諦めていた。
……何だか椿君って雅ちゃんのお母さんみたいだ。