私はしがない執事です


「瑠璃大丈夫か!?」




私は口にした瞬間、吹いた。噴水のように吹き出した。絶対火も出たよ。




「ぅおぅぇ……」




激辛だなんて生易しい言葉では片付かないくらい酷いものだった。
言うなれば世界中の激辛調味料を一気にぶち込んだ感じの味。スープなんてよく言えたものだ。




「瑠璃、そんなにスープがまずかったのか?……どれ………ふむ……美味いがどうかしたのか?」




そりゃあ椿君、涙目にもなるわ。
この味を理解してないから言っても無駄だもんな。



…あれ?




「今日は私が居るんですから、言って下されば普通の料理を作ったのに…」




どうして椿君はわざわざ新城さんの料理を?
雅ちゃんの口振りからして何度もそういう経験をしているはずだ。


それなら。どうして。
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