約束
いつの間にか空が薄暗くなりはじめて、約束の時間をとっくに過ぎてしまっていることに気付く。


「来るわけないじゃん」


そう呟きながら大きく溜め息をついたとき――


「わり、遅くなった」


彼が息を切らしながら姿を現した。

私の視界に収まったその姿は、あの頃よりも遥かに大人の色気を身に纏っていて、私の心臓はドキンッ――と大きく音を立てた。

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