密室
Secret love
「あ、ここ寄っていこうぜ」


そう言って左にハンドルをきった彼。

今日はデートの約束をしていたのに、お互いにどこへ行くか全く考えていなかった。

だからとりあえずドライブでもしようということになって。

今目の前に見えているのは彼と私が三年前まで通っていた高校。

少し高台にある校舎をめざし、遅刻坂と呼ばれている急な坂道を車で上がっていった。


「車だと早いね」

「だよな」


あの頃はこの坂を登りきった後は毎回息切れしていたんだ。
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