密室
「まだアイツと付き合ってんだ?」


アイツ……

そう、あの時私が逃げた場所があの頃私を好きでいてくれた彼の胸。

そして私は先生との恋を勝手に終わらせた。

でも、こうやって先生の胸の中にいるとまだ終わっていなかったんだと実感する。


「俺、今でもおまえのことが好きだ。今なら堂々とおまえを大切にできる。だから――」


一旦そこで言葉を切った先生は私の唇にチュッとキスを落とした後、私の耳元でやさしく囁いた。


「もう一度この場所から始めよう」




fin.
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