Loveless
「ねぇ、鏡貸して」


「はいよ」


私は近くにあった鏡を凌に渡した。


「うわッ、目の上腫れちゃってお岩さんみたいになってる!他にも痣だらけだし。これじゃあ店出れねーよ」


凌はがっくりと肩を落とした。


「大変だねぇ。ところで骨は折れてない?大丈夫?」


「骨は……、折れてないと思う」


「それは良かった」


壁掛け時計を見ると11時半を指していた。
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