Loveless
オレはよく分からないまま頷いていた。


「求人票はご覧になりましたか?」


「はい。でも沢山ありすぎて……」


「もしよろしければ小山さんの情報を企業に公開して、小山さんを必要とする企業があればこちらからハガキをお送りしますが、いかがでしょうか?」


「よろしくお願いします」


苗字を呼ばれることに慣れてないからヘンな感じだった。


オレは小山 凌(こやま しのぐ)という。


もう会うことはないけれど、親父の苗字だ。
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