Loveless
それは十字架のようだった。


私は思わず男に近寄って十字架を手に取った。


見えにくかったので携帯のライトを当てた。


「これ……」


私はその十字架に見覚えがあった。


だから男の肩を揺さぶった。


「ねぇ、大丈夫?立てる?」


男は息はしているようだったけど反応が無かったので、


「救急車呼ぶから」


と言うとふるふると首を振った。
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