Loveless
「救急車呼ばれたくないの?」


と聞くとこくこくと頷いた。


確かにワケありっぽいもんね……。


どうやら言っていることは分かるらしい。


「家はどこ?」


「ーーー」


答えたくないのか答えられないのか男は黙っていた。


「う~ん」


私は少し悩んだ挙句に男を連れて帰ることにした。


見知らぬ男を家に上げるなんて……と思うけど、それ位十字架は私にとって重要な意味を持っていた。
< 3 / 240 >

この作品をシェア

pagetop