余命1年の姫
「まだ希望もあるんですよね!だったら…。」
未来ちゃんが声をあげてお兄さんに言った。
「俺は、佑ね。可能性はあるけど、それを望まないよ。架鈴は。」
「佑さん。望まないって?」
今度は竜が聞いていた。
あたしは、話を聞くので精一杯。
「それは…。」
佑さんは、何かを言いかけたけどやめたようだ。
「言えないんですか。」
竜が、積めよって聞く。しかし、表情崩さずに、安士さんが、「現実を見ろ」と低い声で言った。
それに何も言えなくなった。