ありがとう。言えるかな
今度はメールではなく、すぐ電話をした。

『もしもし』

体調が悪いから声が小さかった

『今から行くからそこで待ってろよ』

『えっ平気だよ』

『うるせーな待ってろよ、じゃあ』

俺は無理やり電話を切った

そしてむかった先にキヨがいた、しかし座りこんでいたのだ

『キヨ!』

見つけた俺は近くに行って

『悪い待たせたな、早く車にのれよ』

『うん、ありがとう』

そして車にのった俺らは少し早いスピードでキヨの家に向かった

車内は静かに時を刻んでいく

聞こえる音は辛そうなキヨの咳き込む音だけだった…

そのまま家に着き

『暖かくして寝なよ』

キヨは静かに頷いた

『じゃあな』

かっこつけた訳ではないが、俺は送るだけで帰ったのだ。

『今日はごめんな、でも本当ありがとな』

友達に連絡して、俺はなぜだか今日は少し泣きたい気分だ

キヨと会えるようになったがやはり求めちゃう、会うといっても家まで送るだけ…

不安になる、キヨにとって俺は一体何なんだろうって思うのだ

思えば思うほど冷たく接してしまう俺は、そうなった時またキヨを遠ざける事をわかってたから

『どうすりゃいい』
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