ありがとう。言えるかな
『ハッピバースディ隆ハッピーバースディ隆』

歌いながらロウソクが立っているケーキを持ってきたそれをテーブルの真ん中に置くと

『隆、一気に消すんだぞ』

兄がやけに真剣に言ってきた

『ふぅーふー』

一度深呼吸をしてか一気に息をはいた…

真っ暗になった部屋に拍手とおめでとうの声が鳴り響いた。

電気をつけると

『ケーキはこのご飯を食べてから最後に食べよう』

母さんがみんなにそう言ってまた冷蔵庫にケーキを持って行った。

『隆。これプレゼントだよ』

父さんが俺の座ってる足の上に置いた

『何これ?開けていいの?』

『開けてごらん』

ガサッガサッと袋から中の物を取り出すと

『サッカーボールだ』

父さんは日曜に趣味でサッカーをしていてどっかの社会人チームに入ってるらしい。
俺はそのボールを持ったままご飯を食べ始めた

『おいしよママ、嬉しいよパパ』

交互に言っていた。食べおわり

『そろそろケーキ食べようよ』

『よく食べるね隆は、ちょっと待ってて』

するとおっきいケーキが再び現れた

美味しい料理を食べ終えると俺は貰ったボールをずっと離さずにいた。

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