ありがとう。言えるかな
時々は庭で一緒に遊ぶ事はあったが
日に日に元気が無くなるゴー君に俺ら兄弟は気付いてなかった…

何も変わらないちょっと寒くなってきた季節の日の事

『ただいま』

久しぶりに学校が終わり真っすぐ家に帰ってきた。

『ママゴー君は?』

『…』

『ママ?』

その背中は微かに震えていた

『ママどうしたの?』

『ゴー君ね…今日隆達が学校行くのを見届けた後…』

顔を見るとその目に涙を浮かべている

我慢しているからか言葉が素直にでてこない母さん

『なんで泣いてるの?』

『ゴー君死んじゃったの』

『…………………。』

意味が分からなかった死んじゃったと言われてもすぐその重大さに気付けないでいた

『今ゴー君は何処にいるの?』

『廊下にいるよ』

震える声で俺に言ってきた

『ゴー君!隆だよ遊ぼ』

返事もなければ俺の下に来る事もない…

廊下に行くとゲージの屋根や周りが外されててその中に布を敷き詰められてゴー君はそこに寝ていた

『ゴー君!なんでずっと寝てんの?』

撫でる手に温もりは感じれなかった

『冷たいよゴー君風邪が治ってないんだね寒いんでしょ?』
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