ありがとう。言えるかな
そう言って近くにある布を掛けてあげてその上から再びゴー君を撫で始めた

『これで暖かくなるね』
『隆……。』

母さんが台所から居間を挟んで廊下にいる俺を見ながら小さな声で呟いた

『よしよし、ゴー君早く元気になってねごめんね最近遊んであげなくて淋しかったよねごめんねごめんねゴー君』

撫でながらゴー君に喋りかけてると目から涙が出てきて

死なんてわからないのに俺はすごい切なくて淋しくて初めて感じるなんとも言えない気持ちが襲ってきた。

『なんで冷たいままなのゴー君、僕の事嫌いにならないでやだよやだよ』

『ただいまー』

姉が帰ってきた

『おねーちゃんゴー君が冷たいの撫でても呼んでも返事してくれないの』

『えっ?どうしたの風邪じゃないの?』

『なんでなのずっと寝てるのママはゴー君死んじゃったって言ってたけど死ぬって何なの?どっかに行っちゃうの?』

涙目の俺は帰ってきたばかりの姉に質問を沢山ぶつけた

『ママがそう言ったの?……ゴー君ごめんねゴー君ごめん』

姉も俺と同様にゴー君に謝った

そして泣きじゃくりながらゴー君を抱きよせた。

『ただい…ま』

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