ありがとう。言えるかな
この言葉を言えたあの頃いつから忘れてしまったのだろう言葉の意味を。

ゴー君と最後のご飯を食べた

いつも変わらないような明るい雰囲気でみんなで喋りながら食べた

ゴー君がそんな俺ら家族が好きだから・・・

翌日

ゴー君を埋葬してくださる業者の方が尋ねてきた

たまたま日曜日で家族みんな家にいてゴー君が運ばれるのを見届けられた。

布に包まれ目を閉じているゴー君の顔はなぜだか幸せそうに見えた

『バイバイゴー君』

それしか言えなかった俺を横に母さんと姉は声をだして泣いていた

父さんと兄とお婆ちゃんはじっと運ばれるゴー君を見つめていた

『よろしくお願いします』

父さんが業者の方に一言言って見送った。

『ゴー君いなくなっちゃったよ』

兄がぼそりと呟いた。

振り替えると沢山の思い出がある

庭で幼い俺と一緒に走り回った事やキャンプに行ったり庭に広げた小さなプールで遊んだり、冬は雪が降って雪だるまを作って遊んだり一緒にサッカーしたり…

数えきれないゴー君との時間があった。

後悔も残る……

散歩にいけなくなったり遊びに行って構ってあげなかったり
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