ありがとう。言えるかな
母さんも喜びを隠すかのように

『まったく急なんだから』

そんな事を言いつつ服を着替え始めた
支度が出来た俺ら兄弟は家の車庫にある車へと向かいそこで鍵があくまで三人で座って待っていた

『ねぇねぇどんな犬飼う』
姉が俺と兄に問い掛けてきた

『俺はでかい犬がいいな』

と兄が言うと

『隆はどんな犬がいいの?』

姉が俺に聞くと

『かわいいーの』

犬の種類なんかわからない俺はそれしか言えなかった。

やっと父さんが一人で家のドアから出てきて車の鍵をガチャってあけてくれた

『ごめん待たせたねさぁ行くぞ』

四駆であの頃の俺にはすごく大きく見えていた車に、兄、姉、俺と車に入っていく。

兄は決まっていつも父さんの隣の助手席に座るのだ、みんなが乗っていると母さんが家の戸締まりをしてお婆ちゃんと一緒にでてきた。

ようやくペットショップに出発!

『かわいい犬いるかな?』

姉が運転席のヘットレスを両手で抱き締め顔を押しつけて母さんを見て言った

『ほしい犬の目星ついてるんだ!』

その言葉に俺ら兄弟三人は『えっ!?』

声が揃った

『何何どんな犬?』

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