ありがとう。言えるかな
『よかったな司令塔はサッカーで重要なポジションだぞ』

父さんから貰ったサッカーのビデオ見て思っていたが俺は点を獲るよりそれをする為のアシストの方が好きだったのだ

それを父さんは知っていた

だから願いが叶ったようなものだったのだ

『もう父さんがいないから淋しいよ』

俺はちょっと淋しくて悲しみを隠すよにいった

『ごめんな隆すぐ家に帰るから待っててな』

『うん待ってる』

兄も姉も父さんとの時間を楽しく過ごしていた

何時間か経ちお見舞いの時間が終わりに差し掛かっていた

『じゃあそろそろ帰るわね』

『えーもう?』

俺は帰りたくないから母さんに言った

『父さんまた明日来るね』

『うんみんな学校がんばるんだよ』

『はーい』

父さんにバイバイをして病室を出た

『父さん元気でよかった』

姉が呟いた

九月も終わろうとしている時期の事

その間もお見舞いに毎日のように行っていた

もう入院してから一ヵ月……退院する気配がまったくない

『母さん今度手術するらしい』

母さんが一人でお見舞いに行った時に父さんがそっと言った

『大丈夫よ手術がんばってね』

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