ありがとう。言えるかな
『おうまあ調子はいいよ、手術だからいつもと一緒とはいかないけどな』

母さんにだけは弱音を吐いた

『大丈夫よ簡単な手術なんだから』

『まぁな初めてだからな』

母さんはまだ父さんが自分が重い病気を背負ってる事は知らないと思っていた……あの一言を言うまでは

看護婦さんが来て父さんを呼んだ、手術の時間だ。

『じゃあ行ってくるな』

『うんがんばってね、ここで待ってるから』

母さんは父さんが手術に行ってる間、両手を合わせ祈るように待っていた

数時間経つのか、やっと父さんが帰って来た

まだ麻酔が効いているのか目をつぶり眠ったままの父さん

母さんはそっと

『おかえり』

そう呟いて、話を聞くために医者のとこに向った

『先生あの人はどうだったんですか?病気は治ったのですか?』

『はい正直に言います。手術は全力を尽くしました、でも治ったと言う表現ではありません。』

『どういう事ですか?

すごい勢いで医者に問い詰めた

『落ち着いてください。今言える事はそれくらいなんです』

『本当ですか?重い病気って一体なんの病気なんですか?すべてを教えてください、受けとめますから…』
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