ありがとう。言えるかな
そんな訳で俺は最近良く病院に行くようになった。

『父さん後一ヵ月だよ試合まで俺本当頑張ってんだ』

『そうかーいやよかったよ』

『ちょっと俺トイレ行ってくる』

俺は病室からでた

『母さん…隆に言った方がいいかな、試合にいけない事。入院が長引いていつ退院できるかわからないから』

『何言ってるの長引くって誰が決めたのよ、まったく』

母さんはちょっと怒って父さんに言った

『ごめんな…母さん…俺きっと重い病気なんだろう』

『……何言ってるの』

『もう母さん一人で背負い込むな、あきらかに入院生活ながいし手術おわってからのこの治療はおかしいよ、俺癌なんだろ』

『…』

思わず母さんは涙が溢れてきた

『もう一人で悩むな、俺も頑張るから…二人一緒にがんばろ』

『ねー父さん』

最悪なタイミングで俺は帰ってきてしまった

『ごめん』

その言葉を残し母さんは急ぎ足で病室をでた

その後母さんは誰もいない廊下の角で声を出して涙を流した

『隆…ごめん約束守れないや』

『えっ?どういう事?』

『まだ当分退院できなそうなんだ、だから試合応援いけない』

『なんで?約束したじゃん』
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