ありがとう。言えるかな
『はい!』

元気のいい店員さんはすぐにその犬を俺らの前に連れてきてくれた

『わぁー本当にかわいい触ってもいいの?』

姉がしゃがみこんで犬に触れるか触れないかくらいのとこで母さんの顔を見ながら尋ね

『いいのよ顎の下を優しく撫でてみな』

その瞬間俺も兄も犬のそばにしゃがみこんだ。

兄が最初にそーっと犬の顎の下に手を伸ばし撫で始めた。

犬は気持ちいいのかシッポを強く振り兄の顔をペロペロっと舐めてきた、姉もそれを見て安心したのか兄と一緒に撫で始めた。

俺はまだ恐くて手は伸ばせないで父さんの手を再び握っていた

『決まりだね、すいませんこの犬ください』

『かわいい犬だね』

お婆ちゃんも気に言ったようだ。

犬は一旦店員さんが奥へと連れて行き小さなゲージに入れて再び俺らの下に持ってきた

『よかったね幸せになるんだよ』

店員さんも少し淋しいのか犬に向かってそっと喋りかけた。
それを兄が両手で抱え『おーい』なんて呼び掛けている。

そのまま駐車場に向かい車に乗って来た道を家へと走りだした。

『かわいいなー』

『でしょ?』

『さすがママだよ』

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