ありがとう。言えるかな
俺は家に帰ってきて第一声で

『惨敗だった』

みんなはそれを聞いて俺を心配そうな目で見てきた

『大丈夫か?悔しかったろ』

兄が最初に聞いてきたので

『たしかに悔しかったけど、精一杯頑張ったから悔いはない』

『本当に、よかったじゃん』

姉が一安心したのか、明るく喋ってきた

『俺やっぱサッカー大好きだよ』

『知ってるよ』

みんながハイハイといった感じで笑っている

『俺プロサッカー選手になる。そしてテレビに出る!そうすれば父さんが何処にいても見れるからね』

隆がそんな事を言うなんて想像もつかなかったのか家族は驚いている

『きっと父さん、隆がそんな事言ったなんて知ったら喜ぶわよー』

母さんはその言葉が本当にうれしかったのか、

『隆…父さんのためにも頑張ってね』

『おう任せろよ』

俺はやる気が出てきた、将来の夢が決まりそれに向って頑張ると強く胸に誓った

『近いうちに俺お見舞いにいくよ』

ご飯を食べおわり寝る前に母さんにそっと呟いた

『はいよ、お父さんに試合の事報告しないとね』

そして何日か経って俺はお見舞いに行く為に父さんの病院に母さんと一緒に向った

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