ありがとう。言えるかな
病院について前に言った事が少し気になっていて、俺はどう接しようか悩んでいた

そして父さんの病室の前に着き一呼吸してから中に入ったのだ

『おー隆元気してたか?』

『う・うん元気だよ』

何もかわらない態度で俺と接してくれた

『父さん試合惨敗だったよ、だけど俺悔いはないよ』

『よくがんばったな隆』

『俺夢ができたんだ』

『何?聞かせて』

『プロになる……プロサッカー選手になってテレビにでる、そうすれば父さんはいつでも俺の試合みれるでしょ』

『隆…よく言ってくれたな、頑張れ隆頑張れ』

すごい嬉しそうに応援してくれた、だけど何か淋しそうな瞳だった

『また大会があるんだ次冬だよ、だから後2ヵ月くらいだよ』

『そうなの隆?』

今始めて言ったから母さんもびっくりしたようだ

『次も俺がんばるから、父さんも早く元気になって退院してね』

『そうだながんばないとな』

父さんは辛い治療の日々だから会うたんびに痩せていくようだった

ただあの時の俺は、その変化に気付いていなかった

それから前とかわらない感じで、しょっちゅう父さんのお見舞いに行くようになっていった

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