ありがとう。言えるかな
今年は父さんがずっといなかったから、毎年夏に色んな場所へ行っていたが、まったく出掛けなかった。

そして春が来て小学校5年生に進級した。

週に何回もお見舞いに行っては父さんと話したりご飯を一緒に食べたり、去年からやっている事はかわってない

そして雨ばっかな日々が過ぎ雲隙間から少しづつ明かりが差し込む、気付けば暑い太陽が俺らを照らしだす夏に近づいていた。

『どういう事ですか?』

母さんが医者に怒鳴った

そんな夏まで後少しと言うとある日に、病院から電話が来てすぐ駆け付けたのだ

兄もたまたま家にいたので、その母さんの異変に気付いたのか一緒に向った

『はい…今日の朝いきなり体調が急変して急遽手術をしたんです。』

『それで、それでなんなんですか?あの人は何処にいるんですか?』

『母さん…父さんどうしたの?』

兄は感が鋭いので、なんとなくわかったっぽいがまだ確信がなかったのだ

『病室で寝ています。』

『手術はどうだったんですか?もう無……理…なんで……すか』

母さんは医者の態度を見て察したのか泣き崩れそうになっていた

『母さんとりあえず行ってみよう』

『そうだね・・』
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