ありがとう。言えるかな
そんな恐怖を二人は受けとめたくなかった、まだそこにいる父さんがいなくなるなんて信じられなかったから

医者が部屋に入ってきて父さんの腕をとり脈を計り、静かに言った…

『ご臨終です』

『お父さん……嘘よね隆の試合はどうするの?それにあなたはまだ見てない事がたくさんあるでしょ!だからお願い逝かないで目をあけて!嘘よ死んだなんて!神様なんか……』

部屋の外にいた兄の耳まで届く母さんの涙の交じった叫び声

『父さん…父さんなんでだよ…』

兄も静かになんか涙を流せなかった、静寂した病院に二人の泣き声が響きわたった

そして病院から連絡がきてその話を聞いたお婆ーちゃんもすぐに掛けつた

病室につきお婆ーちゃんは父さんにむかって一言呟いた

『ゆっくり休んでね』

お婆ーちゃんは涙を静かに流しながら父さんの頭を撫でていた。

そして三人は枯れる事がない涙を流し続けた

そのまま三人は家に帰らないで父さんの近くで一睡もできないまま朝を迎えたのだ。

そして母さんから帰ってこないと連絡があった昨日から今日になり俺は目を覚まし、寝ていた部屋の襖をあけたのだ。

『あれ?父さんだ』

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