ありがとう。言えるかな
『ちょっといいかい?』

『どした隆?』

ダイが聞き返してきた

『いや花火大会現地にいけないよ、だからなんか田舎道知ってるからそこでいい?』

『全然平気だよ、ありがとね運転』

キヨがやさしく言ってくれた

そして誰もいない道に俺は車を止めて花火を見ることにした。

ちょうど周りには高いビルがなく花火が見える絶景の場所なのだ

三人で車に寄り掛かり見ていた、そしたらダイがいきなり

『ちょっとトイレ行ってくる』

『えっ?』

ダイはさっさといてしまったのだ。

二人残された俺とキヨ、話かけないとと思い横をみるとキヨは真っすぐ花火を見つめていた

なんかすごい懐かしく思う。今はその瞳を真っすぐ見つめる事ができない、あの頃はキヨの瞳に写っていたのに。

『花火キレイだな』

俺も花火見たまま勇気を振り絞り話かけた

『そうだね』

冷たかった…あの頃とのギャップに俺は失った辛さをさらに感じたのだ。

『わりぃわりぃ』

ダイが帰ってきた。

そしてまた三人で花火を30分くらい見て最後に大きな爆音と共にキレイな花火が散った

『じゃあいくか?』

俺が二人に問い掛けた

『そうだね』
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