ありがとう。言えるかな
第十一章  変わらない日々
高校を卒業してから一年、また春がきた。

毎日毎日昼すぎまで寝て、起きたら家でボーっとして夜になると友達を誘い朝方まで遊ぶっと言う日々を過ごしていた。

何の不安も不満もなく、周りの目や親の事なんか気にもしないで

『生きてるだけでいいじゃん』

なんて軽く考えで過ごしていた。

大好きだったサッカーも、高校時代もあれだけの練習量をこなしてがんばっていたのに

『やりたいけどやる環境がないんだもん』

そんな言い訳でごまかしてまったくサッカーとは関係ない生活をしていた、だから体に肉がついて体重も増えてしまった

お酒もたばこも体によくない事ばっかで大人への道なんか通らないで、いつまでも親のすねをかじっている

『悩みがないのが悩みだよ』

なんて馬鹿な事を言っていた。
世間はキレイなさくらに賑やかだった

俺はさくらが咲いている空よりも目の前の友達と飲んだり食ったり騒いでいる方が楽しいかった。

『さくらは騒ぐためにある』

なんてふざけた事を言う奴だった


だけど夜一人になり空を見上げていると、キヨを思い出してしまうのだ、なぜか勝手に会えるかなっと言う期待が胸を膨らませるのだ。
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