ありがとう。言えるかな
『は?まじで?なんで?』

ダイが驚いた

『いや俺には無理だね、身だしなみ厳しいしめんどくさいから』

『馬鹿じゃん』

キヨが悲しそうに小さな声で呟いた

『何めんどくさいって最低』

今度は俺に聞こえるように言ってきた

キヨはめんどくさいって言葉には敏感なのだ……

俺とキヨが出会って仲良かった頃、キヨのワガママで気分が落ちていた時

『なんで隆そんな元気ないの?』

『は?お前がめんどくさいから』

さりげなく何も考えないで言ってしまったのだ。

それがどれだけキヨの心に深い傷を負わせたのか知るよしもなかった。

そしてキヨがどれだけその傷を忘れないでいるのか、気付いた時はもう……

俺は知らないでまためんどくさいと言ってしまった

それから車内は何か気まずい雰囲気になってしまった。

そしてキヨは俺にたいして冷たい態度や嫌味を言うようになった

言われるがままの俺はだんだんむかついてきた、車のスピードを上げキヨの家へと急いだ。

家につくとキヨが下をむいて

『バイバイ、送ってくれてありがと』

小さく呟いて行ってしまった

その後俺は車を急発進で地元にむかった
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