タイムカプセル
そうじゃなかったら来てなかった。
だって今日は付き合って1年になる彼氏の誕生日。
手を合わせ、お祝いを前倒しして貰ってまでここにいるのは、あの手紙を誰かに勝手に開けられたくないから。
そして10年後の誠也に会いたかったから。
到着した校庭にはもう皆が集まっていた。
「朱里、遅いよー」
親友の美歩に手招きされ、カプセルを埋めた木に集まる輪に加わる。
誰かが冗談で開けてしまったら恥ずかしい事この上ない私の手紙。