あの頃の気持ちをもう一度～母校に行って～【TABOO】

授業後。
優衣は幸斗と教科室にいた。


「初めての授業の感想は？」
「緊張しましたが、凄く楽しみになりました」
「それは良かった。ここで嫌だと思われたら悔しいからね」
「え？悔しい？」
「うん。僕の教え方が悪かったってことになるから」
「そ、そんな……」
「ま、君はそんなことはないだろうけど」

幸斗はそう言うと優衣の手を取る。

「先生？」
「受かると良いね。教員」
「はい…」



簡単に諦められるほど、単純なものじゃない。
思い出すだけで、胸がドキドキする。だから、ずっと行かなかったのに……。