フェイク
「服だよ?服。

そんな大げさに考える事無いじゃん。


普段は理緒の好きな格好して、デートのときだけ翼の好みに合わせればいいんだから」


「でも私、翼さんの前でもこういう格好したい」


「あのねぇ……」



亜也乃はさっきよりも深い溜め息をついて目を伏せると、いちごジュースを一口飲んだ。


グラスの中でカラカラと、氷のぶつかり合う硬い音がする。
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