フェイク
ケーキの箱を携えて、亜也乃が住むマンションのインターホンを鳴らした。



「いらっしゃい」


亜也乃はきれいなブルーグリーンのTシャツにジーンズという格好で、私を出迎えてくれた。



「お土産持って来たよ。

チョコムース」



私がケーキの箱をちょっと持ち上げて見せると、亜也乃は目を輝かせて小さく歓声をあげた。
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