最高の偽装lovers
そう言った父は困ったように笑った。

・・・

「私なんかで、この会社を継ぐことなんて、

出来るでしょうか?」

私の言葉に小さく頷いた父。

・・・

「穂波にもできるさ。

でもすぐに社長をするのは無理だろう?」


「はい、絶対無理です」


「まずは業績を上げないさい」


「…業績、ですか?」


「ああ・・・

現場に入り、服はどう作られるのか、

服はどうやってデザインされるのか、

ここで一から勉強し、お前もデザイナーとして、

一人前になりなさい。

そして、その後は、私の下について、

経営を学べばいい・・・

私はまだまだ現役だからな?」

そう言って、父は微笑んだ。

・・・

一からすべてを勉強するとなると、

かなり大変だろう。

それでも私は決めたのだから。

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