最高の偽装lovers

穂波side

・・・

やっと離された唇・・・


ほんの一瞬でも、

それを受け入れ、

溺れてしまった自分を恥じた。

私の好きな人は、浩輔なのに・・・


「送ってくれて、ありがとうございました。

でも、もう、これで会うのは最後です。

凌也さんへの恋心は、もう今の私には

ないと思うから」


そう言って車のドアに手をかけた。


が、


凌也は私の肩を握り、

呟くように言った。


「私のキスを、受け入れていた。

心のどこかではまだ、

私の事を想っているのでは?」


「・・・それは」


それは・・・ない。

と、言い切れなかった。
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