まほろば【現代編】

ii

飛龍君に引っ付いて歩くこと三十分。

三十分……。

長いよ!

だいたい、どんどんどんどん人気のない方向に進んでるし。

いったいどこに行くんだろう?

この三十分だって、飛龍君との楽しいトークがあればあっという間だろうけど、それがどうよ?

学校出てから一っ言も話してないなんて!

うー、もうそろそろ限界かも……。

「……あの」

「そういえばさ」

話しかけようとしたのを見透かされたかのような見事なタイミングで、飛龍君の方から話しかけてきた。

「はいぃ!」

少々声を裏返しながら返事をすると、飛龍君の冷たーい視線。
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