まほろば【現代編】
リュウのところよりももっと小さな本当にこじんまりした神社だ。

だけど、やっぱりこういう場所は気持ちを集中させるのにはとてもいい場所だと思う。

あまりに小さな神社過ぎて訪れる人もほとんどいないのも気に入っている。

いくら自分の身を守るためとはいえ、傍から見れば妖しげなことをしているのを見られるのはやっぱり恥ずかしい。

だから、この木々に囲まれたひっそりとしている小さな神社は格好の練習場所だった。

「えーっと、最初は臨で……」

手剣の形にした腕を伸ばし横に線を引く。

「次が、兵で……」

腕を縦に動かす。

うん、いい感じ。最初さえ間違えなかったら後は大丈夫なのよね。

この一週間で、何度かは手ごたえを感じる九字を切れてたと思う。

「よーし、もう一度!」
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