まほろば【現代編】

ii

それから二・三日、午前中は真人君に九字を教えてもらっていた。

リュウと違って真人君はすごい褒め上手で、気づけば私の早九字は完璧といえるほどの精度を持って切ることが出来るようになっていた。

「すごい、すごい。遙ちゃん、飲み込み早いね」

「えへへ。これもすべて真人君のおかげだよ」

「ううん。遙ちゃん、元々素質があったんだよ。もう、これで教えることは何もない、かな?」

「えっ?」

ということは、もう真人君と会うこともなくなっちゃうってことなのかな? 

リュウには、関わるなといわれていたけど実際にこうして会っていると、真人君はすごく優しくて面白くて全然危険な感じはしない。

ここ数日という短い時間だったけど、真人君を知れば知るほど、どんどん好きになっていっていた。

好きといっても、恋愛対象ってことではなく友人としてもっと一緒にいたいなと思っている。
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