まほろば【現代編】
手を引かれそのまま何も言えずに真人君の後をついていった。

気が付けばいつもの神社の前。

ずいぶん遠くに来ていたと思っていたが、案外近い場所だったみたいだ。

「ここまで来れば大丈夫かな?」

「うん」

「じゃあ、またね」

手を振って背を向けて歩き出した真人君。

細い身体が夕日に溶け込むように消えていくのをただ、何も言えずに見送ることしか出来なかった。

そして、その夜。

リュウからの電話で、白虎の手がかりがつかめたこと。

そして、明日戻ってくることを伝えられた。

久しぶりにリュウに会える。

すごく嬉しい。

だけど、真人君の悲しそうな瞳が頭から離れなくて手放しで喜ぶことが出来なかった。
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