まほろば【現代編】
いや、それは俺の穿った見かたかも知れないが、それでもその真人と言うヤツのことが気になって仕方がない。

俺の知らないところでハルカに近づく男がいるのが気に入らないというのもあるが、それ以上に何か嫌な予感がしてならならなかった。

やっぱり、これはできるだけ早く帰らなくてはいけない。

気だけは焦るが、その思いとは裏腹に捜索は一向に進まず、また再び一週間ほどが過ぎようとしていた。

毎晩のようにハルカとは電話で話しているが、どうやらちょくちょく真人という男と会っているようだった。

隠しているつもりみたいだが、もともと嘘のつけるタイプじゃないからそんなことはこっちにはバレバレ。

それでも、あまり突っ込みすぎて逆にハルカがへそを曲げてしまうのが怖くて、見て見ぬ振りをしていた。

だけど、いい加減本当に白虎の明確な手がかりを掴まないと、こっちの身が持たない。

モヤモヤした気分のままその日の捜索は例のごとく何の成果もないまま終了となった。

そんな俺を見かねたのか、雅仁さんはいつにもまして豪華な夕食を用意していてくれた。
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