まほろば【現代編】
向けられた顔は、全くの同じ顔。

見事なぐらい。

しかも、将来楽しみなかわいらしさ。

チラリと飛龍君を見てから、二人に視線を移せばどことなく似ているのに気づく。

「リュウお兄ちゃま」

「この人は」

「「だ~れ?」」

最後は綺麗にハモルと、飛龍君の両腕にギュッと抱きつく。

両腕を塞がれた飛龍君は、ちょっと困った顔をしながらも優しく彼女たちに語りかけた。

「この人は、僕のお客さん。さあ、紗和に紗来。先に帰っておもてなしの準備をしておいておくれ」

それでもちょっと躊躇するように飛龍君の顔を見上げた二人だが、一瞬鋭い視線をこちらに向けると二人同時にパッと身を翻して駆けていってしまった。
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