まほろば【現代編】
「もう少し詳しく話してよ。ボクにとっては人事じゃないからね」

真人に対してさほど警戒心を持っていないホムラの明るい声が聞こえる。

ホムラは、いうなれば同族とでもいえる立場のはずだから、真人の危うさもわかっているはずだ。

だけど、そんな素振りはまったく見せない。

ホムラのほうにチラリと視線を投げると、真人は小さく頷いて話し出した。

「一つ確かにいえるのは、今現在、青龍の存在は失われているってことだ。おそらく、いくら夢見で探ろうと思っても無駄だ」

その言葉を受けて、紗綾も紗和も紗来も頷いている。

「だが、いったいいつの時代に失われたのかはわかってない。結界を張るためには、どうしても青龍の力が必要か?」

最後のほうは、俺に向けて放たれたということがわかったので、頷くことで返した。

「そうか……。なら、過去に探しに行くしかないだろうな」

「は?」
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