まほろば【現代編】
ホムラの言っている意味もわからない。

「話さなかったっけ? ボクは過去から来たわけだし、ハルカは一度過去に行ってるんだよ」

確かに、ホムラは今ここにいるはずではない存在。

それは、ハルカが迷い込んだ世界から付いてきたからだ。

そのハルカは、ホムラの言を借りればその時過去の世界に迷い込んでいたということになる。

ハルカが、どこか不思議な世界に迷い込んだのは聞いていたが、それが現代と繋がった過去だったとは考えていなかった。

だが、そのことと過去に行くこととどう繋がるというのだろうか? 

ホムラはすっかり過去に行く気満々なのがそのキラキラと輝かせた瞳を見ればわかる。

「ハルカには、強力なお守りがあるんだよ」

俺の疑問にお構いなしに、話を続けるホムラ。

また唐突な単語が出てきている。

だいたい、お守りがあるからといってそれがなんだというのだろうか? 

首をかしげながら現在話題の中心にあるハルカに視線を向けてみる。
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