まほろば【現代編】
「ホムラ。ホムラがいた時代っていったい……」

俺の質問の先を読んだのか、ホムラはニコリと微笑むと「弥生時代」と答えた。

「ボク、こっちに来てから結構色々と調べてみたんだよね。だから、ヒリュウたちの言葉を借りればおそらくその時代ってこと」

弥生時代とはまたずいぶんと昔だ。

まあ、原点といわれれば原点といえないこともないが、この状態で行ったら絶対に目だって仕方がないよな。

これは、出発までに色々と準備をしなくてはいけないかもしれない。

とにかく、これで目処はついた。

後は、ホムラと細かな打ち合わせをするためここで一度お開きとなった。

部屋の中には、俺とホムラそして白虎を膝の上に載せたハルカだけが残った。

ハルカの上の白虎は、先ほどまでのか弱い仔猫のような風貌ではなく、太い四肢を持つ子供の虎ぐらいの大きさになっていた。

とりあえず、今日のところはこのぐらい回復させればいいだろう。
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