まほろば【現代編】
「アキがあれぐらいでやられるはずないよ。それに、アキがあそこで死んでたとしたら……」

意味ありげにリュウに視線を送るホムラ。

その意味がわからないのか、リュウは首を捻っている。

かといって、私にもその意味はわからない。ホムラにだけわかる何かがあるということなのだろうか?

「でね、今回はハルカとボクそれからヒリュウの三人で行こうと思うんだ」

私たちが疑問に思っていることなど素知らぬ風に、ホムラは話を続けていた。

それにしても、過去か……。

「アキに……アキにもう一度会えるのなら、私、行きたい」

だって、やっぱりあの光景を最後に見せられたら心配だもの。

もし本当にもう一度会えて、その無事を確認できるのなら確認したい。

私の決意を確認したのか、ホムラは嬉しそうに頷いて、リュウは仕方がなさそうに苦笑いしている。
< 253 / 702 >

この作品をシェア

pagetop