まほろば【現代編】
【ハルカサイドⅦ】
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過去から戻ってからは、毎日のようにリュウの部屋に行っているけど、まだ結界の張り直しには時間がかかるみたい。
というのも、シロの回復がなかなか進まないから。
私が毎日のようにリュウの部屋に行っているのもそのため。
ちょっとずつではあるけど、確実にシロは大きくなっていっているのはわかっている。
今は、だいたい中型犬ぐらいの大きさまで成長した。
不思議なのは、シロが一言も話さないこと。
ホムラみたいに人間の言葉を話せとは言わないけど、鳴き声みたいなものすら発したことがない。
一生懸命話しかけてもうんともすんとも言わない。
ただ、悲しそうな瞳で首を微かに傾けるだけ。
「ねえ、リュウ。シロってどこか悪いのかな?」
「悪いって……。何でそう思うんだ?」
「だって、まったく声を出さないなんておかしくない?」
というのも、シロの回復がなかなか進まないから。
私が毎日のようにリュウの部屋に行っているのもそのため。
ちょっとずつではあるけど、確実にシロは大きくなっていっているのはわかっている。
今は、だいたい中型犬ぐらいの大きさまで成長した。
不思議なのは、シロが一言も話さないこと。
ホムラみたいに人間の言葉を話せとは言わないけど、鳴き声みたいなものすら発したことがない。
一生懸命話しかけてもうんともすんとも言わない。
ただ、悲しそうな瞳で首を微かに傾けるだけ。
「ねえ、リュウ。シロってどこか悪いのかな?」
「悪いって……。何でそう思うんだ?」
「だって、まったく声を出さないなんておかしくない?」