まほろば【現代編】
「そうだな。妖は、基本的に夜の世界に属するものたちだ。この世界にまったく出てこなくなるってことはないが、それほど甚大な被害をもたらすことはない。それは、結界があるからであって、結界がなくなれば抑止力もなくなり暴れだす」
「結界っていつから張ってあるの?」
「はっきりとはわからないが、かなり古い時代だということは言える。ただ、この間訪れた時代には今施されているような結界はなかったようだが」
「じゃあ、あの時代は妖と人間は共存していたってこと?」
「まあ、そうと言えないこともない。でも、そんな単純なものでもない」
「どういうこと?」
「もともと妖は、人間にとって害があったわけではない。昔は、妖と人間、本当の意味で共存していた。だけど、いつの頃からか人間は妖に対して蔑みの心を持つようになっていった」
だんだんと薄暗くなっていく部屋の中でリュウの声だけが響いている。
だけど、なぜかそれがリュウの口から出てきているとは思えないほど、その雰囲気がいつもと違う。
「結界っていつから張ってあるの?」
「はっきりとはわからないが、かなり古い時代だということは言える。ただ、この間訪れた時代には今施されているような結界はなかったようだが」
「じゃあ、あの時代は妖と人間は共存していたってこと?」
「まあ、そうと言えないこともない。でも、そんな単純なものでもない」
「どういうこと?」
「もともと妖は、人間にとって害があったわけではない。昔は、妖と人間、本当の意味で共存していた。だけど、いつの頃からか人間は妖に対して蔑みの心を持つようになっていった」
だんだんと薄暗くなっていく部屋の中でリュウの声だけが響いている。
だけど、なぜかそれがリュウの口から出てきているとは思えないほど、その雰囲気がいつもと違う。