まほろば【現代編】
そのリュウの影がゆらりと揺れて近づいてきて、私のすぐ側に膝をついて私の顔を覗き込んできた。
いくら暗いといっても、窓から差し込む夕日の名残がリュウの滑らかな頬を照らしていて、ある意味いつも以上にその端麗な容姿が際立っている気がする。
「ハルカ。結界の張りなおしは三日後に行う」
「そ、そうなの。じゃあ、私は――」
私の言葉を遮るようにリュウは緩く頭を振った。
「ハルカは、家で待機していてほしい」
「なんで!?」
思わず荒げた声にもリュウは動じることなく静かな瞳で私の瞳を捉えた。
「結界を張るのは中臣家の仕事だ。しかも、ある種の秘祭を行うから家のもの以外を同席させるわけにはいかない」
「そんな……」
文句の一つも言いたいところだったが、薄闇の中でもそれにも負けないくらい深く吸い込まれそうな闇色の瞳からは有無を言わせない無言の圧力があった。
いくら暗いといっても、窓から差し込む夕日の名残がリュウの滑らかな頬を照らしていて、ある意味いつも以上にその端麗な容姿が際立っている気がする。
「ハルカ。結界の張りなおしは三日後に行う」
「そ、そうなの。じゃあ、私は――」
私の言葉を遮るようにリュウは緩く頭を振った。
「ハルカは、家で待機していてほしい」
「なんで!?」
思わず荒げた声にもリュウは動じることなく静かな瞳で私の瞳を捉えた。
「結界を張るのは中臣家の仕事だ。しかも、ある種の秘祭を行うから家のもの以外を同席させるわけにはいかない」
「そんな……」
文句の一つも言いたいところだったが、薄闇の中でもそれにも負けないくらい深く吸い込まれそうな闇色の瞳からは有無を言わせない無言の圧力があった。