まほろば【現代編】
アイツだけは、どうしてもその心の内を読むことが出来ない。

それでも、玄武であるアイツの協力なしには結界が成立しないのも確かなことだ。

今日は、四神と父さんを含めての打ち合わせを行う予定だ。

真人の連絡先がわからなかったが、ホムラに言うと何の根拠もなしに「大丈夫」の答えが返ってきた。

そのホムラの断言通り、どこでどうやって聞きつけたのか、青龍の玉を携えた父さんとホムラそしてシロが揃った後にふらりと真人が現れた。

「どうも。やっと結界張る気になった?」

軽口を叩きながら、何の気負いもなく部屋の中に入ってくると窓際に面した壁にもたれるように腰をかけた。

あたかもそれが当たり前のような素振りに、こちらとしても何も言うことはできない。

それに、真人に来てもらわなければ話が進まなかったので感謝こそすれ罵る理由はない。

部屋の中にいる全員の視線が集まったのを感じて、口火を切った。

「明後日の満月の晩、結界を張りなおすことにする」
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